神保町2/"Guess What? Hardcore Contemporary Art's Truly a World Treasure"に行った
@BlackJoker91さんと都内で会った.
事前の打ち合わせでは夜遅くならないようにという要求があったので,
折角彼女は美大生になったのだから,美術館で作品について語ってもらおうと思い,
東京国立近代美術館か東京都現代美術館のどちらかに行きたいと伝えたところ,
東京国立近代美術館に行くことに決定した.
東京国立近代美術館のある竹橋というところはあまり詳しくなくて,
彼女いわく周りにはなにもないということ.
地図を眺めてみると付近に九段下,神保町などがあるということだったので,
それならば神保町で食事をしてから行くのがよさそうですねということを事前に話していたのだった.
神保町は先日うどんを食べに来たのだけれど,
神保町の有名な店といえば,うどん屋ではなく喫茶店だったりカレー屋だったりするので,
さぼうるにでも行ってみるかと頭の隅においておいた.
ここはかつてのIIJに行く通り道でもあったので,迷わず行くことができて安心感がある.
改札前で集合して*1,暑い暑いと言いながらさぼうるへ.
しかし,神保町のお店は土日に休みが多いことをすっかり忘れていたのだった.
もちろんさぼうるも,隣のさぼうる2も休み.
店の前で検索をして,それならばカレーを食べようということで,
土日もやってるカレー屋に行く.
開店時刻の11時に到着で,調度良い.
店も広々としていて雰囲気も良い.
神保町のカレーは欧風カレーが多い印象があったのだけれど,
ここはインドカレーのお店で,しかも結構美味い.
また来たいと思える感じだった.
店内では,最近あったことなどを話したり,
「BJさんの,(美大)入学直後の大学生活を記録していた絵日記は面白く読んでいたのだけれど,
あるときから全くおもしろく感じなくなってしまったので,読むのをやめたんですよね.
最近はまたおもしろいと思えるようになったのだけれど」という話をしたり,その理由の話をしたり.
彼女の社会人時代のWebには掲載できない話を聞いたり*2.
共通の知人の話をしたり.
この先,彼女はいったいどうするのかという当然多くの人から聞かれるであろう話をしたり.
店を出て竹橋まで歩く.
美術館.
展覧会情報現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展 ヤゲオ財団コレクションより
hitode909さんから話を聞いて,Webで以下の記事を見たのでこれは行かないといけないという使命感に駆られたため行った.
現代美術のハードコアはじつは世界の「宝」である / 東京国立近代美術館・主任研究員 保坂健二朗氏インタビュー | SYNODOS -シノドス-
とにかく美術館では黙って鑑賞していた.
途中,屏風の見方についてレクチャーを受けたけれど,それ以外は会話はほとんどなくて,
少なくとも僕は自由に動けた.あっちが合わせてくれたのかなという気持ちがあったけどね.
美術館,日曜なのに適性人数という感じで,あまり周りを気にせずめぐれた.
こんなに良い展覧会に来ないなんて,もったいないという感じになる.
自分の興味は写真がベースにあって,
なので杉本博司やアンドレアス・グルスキーで大喜びできるのだけれど,
それ以外のものも同じくらい時間をかけて見ていたと思う.
上記の2人はそれぞれ中之島で見たのだけれど,
その時とは違う,コレクション展の良さだなと思う*3.
同時開催されていた所蔵作品展「MOMATコレクション」*4もまたよくて,
戦前から戦後,そして現代美術をまんべんなく時系列で追うことが出来た.
キャプションがわりと人間味のあるおせっかいな雰囲気を醸し出していたし,
戦前は歴史の勉強という感じで関東大震災の記録や「隣組のビデオ」を見たりする.
やはり戦後以降の作品が好きなのだなと思う.
Chim↑Pom,きちんと評価されてるのはちょっと驚き.
とにかく企画展とそして所蔵作品展だけでかなりお腹いっぱいで,
その上建物もよくて「眺めのよい部屋」で皇居を眺めたりもしてたら,
おもてなし度も高いので,これはもう1日かけてみないと満足できないという感じになると思う.
企画展についてはWebにあった割引券を使い大人料金から100円引きで入ったのだけれど,
彼女はキャンパスメンバーなので学生団体料金で入ることが出来て,立場の差を知った.*5
🗾
その後,神保町まで戻りロイヤルホストに入って図録を見ながら解説の会.
流石に美大生ということで結構勉強になるし,
なにより現代美術をどのような視点で見るかという話で盛り上がったと思う.
専門教育を受けた人が得ている視点みたいなのを知りたかったというのがある.
詳しく話ができないということで悔しがっていらっしゃった(?)ようだけれど,
逆に言えば学部も出てないのに,話をいきなりするというのは難しいよなとも思う.
そもそも専門家が一般人に専門の話をわかりやすくするってのは,
博士課程の人でも出来ない人はいるので*6という話は一応伝えておいた.
そして,専門家に意見を求めるってのは無料では済まされないよねという気持ちもあるので,
学生だから話が聞けるのですよ,とも.
学位と制作についての話になる.
楽しいことはたくさんあれど,なかなか苦労しているようだった.
むしろ入学当初からアウトプット(制作)のことを考えさせられる学部なんてあまりないわけだから,
ただただ凄いという気持ちになる.*7
別に僕は彼女の後輩でしかないけれど,
とにかく肯定できる話は肯定してあげたいなと思ったのだった.
彼女の生き方は僕の知ってる人の中だとどう考えてもマイノリティだし,
この先マイノリティが集まって何かをする世界に入るわけでもなさそうなので,
周囲の人間が肯定的になるしか無いのだと思う.
まぁ僕がその役目をおわなくても全然問題ないくらい,彼女は周囲に恵まれてる気もするけれどね.
そして,父親だったらそうは言わないかもしれないけどね(他人だから出来る話だよね)という話も添えて.
環境もいろいろあるし,すべてが都合よくいくわけではないだろうから仕方ないけれど,
それでも以前に会った時よりも,幸せそうに暮らしてたのが良かった.
途中買い物をして,コンビニでご飯を買って帰った.
家に帰ってからは図録に書いてあるテクストを読んだりした.
結局,学部時代の人と会う土日だった.
- 追記リンク(あちら側):ippuku
- 追記リンク2(アンドレアス・グルスキー):親と大阪(2) - 岸辺のAlbum
- 追記リンク3(今回はなかったけど草間彌生):草間彌生-永遠の永遠の永遠-に行ってきた - 岸辺のAlbum
*1:会った瞬間に太った?と聞かれたのだけれど,元々の印象と大学院で太ったのでどうしてもそう言われちゃうよね....../奈良に行くと太るという話はよく聞くけど,痩せるという話は聞いたことがない
*2:なるほどそういうことだったのかと合点がいった
*3:しかも代表作だらけというのがかなり贅沢
*4:上記のインタビューでは"入館当日に限り、同時開催の「美術と印刷物」、所蔵作品展「MOMATコレクション」および、工芸館で開催の「こども+おとな工芸館 もようわくわく」もご覧いただけます。"と書かれている
*5:奈良時代は京都国立博物館と奈良国立博物館がキャンパスメンバーだったのだけれど,個人的には中之島や平安神宮の前の美術館に安く入れたほうが嬉しかったのだよな.と思い出す.
*6:学位はコメントのスキルに対して出されているわけではないので当たり前といえば当たり前
*7:これは学術的な側面の学位を授与する組織と,アーティストを教育する教育組織としてのジレンマもありそうだが,門外漢なのでわからん.