岸辺のAlbum

teenstの日記

『29歳』

29歳

29歳

複数作家による短篇集だったが,どの話も結構面白かった.
多くの作品ではニヤニヤ出来ていた.

一通り走査した上で,興味のある話を読み,
後は最初から読み通した.

どの話も女性が主人公で,きっとその女性の多くは29歳.
「きっと」と書いたのは,読み落としかもしれないけれど,きちんと宣言されてから書いてあるわけではなかったので.


とあるレビューに,どれも同じようなものとと書いてあったけれど,
僕はあまりそうは思わなかったかなぁ.
むしろ登場人物の微妙な差異が面白くて,
そのうえ作家の表現力の違いもあってよかった.


作家が苦手なのか,主人公が苦手なのか,
この人がもし現実にいたら,価値観が原因で,僕とは合わないだろうなぁという主人公もいて,
それがあったからこそ,この表現は最高だなぁとか,面白い話が際立って思えた.
しかし,発想は似通わせることはできるのだが,
性差の壁があって,どうしても自分を投影できないなぁと思った.

これも,とあるきっと別のレビューで読んだのだけれど,
ここまで日本の29歳女性が不倫経験があるとは思いたくないかなぁ.

それにしては,わりと普通な生活(例えば「学校を卒業したら会社で働いて,それから」)
という起点の人が多かったのもまぁ,「29歳」という言葉をスタート地点にすると,
そういう物語になってしまうのだろうか.


夏フェスのように,きちんと読んでいない作家を読み進めてみようという気になったのも収穫かなぁ*1




会社に入ってから,年単位の締め切りや,求められてること,やる必要のあることみたいなのは提示されたけど,
それは自分で立てた目標じゃないからいまいちピンときてなかったのだけれど,
僕が29歳になるころ,世の中も自分もどうなってるかわからないけど,
まぁ3年から5年後というのが一つの区切りになるような気がするなぁと思う.
(とある先輩が「3年やってみたら進路を決定しよう」と仰っていた話が,やっぱり印象に残っている)

*1:ここ数日,ワーハピで見たくるりをずっと聴いていた/@さんから今年の誕生日プレゼントで頂いたCDが大活躍