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teenstの日記

就職活動(最終回):またはあるNAIST情報修士学生における就職活動の話

(追記: 2015/5): 時期が時期なので,就職や入試関係で検索していらっしゃる方が増えてきた.
偉大な先輩方のまともな記事を読んだほうが良いと思うが,取り急ぎ一番下に追記を書いておく.


先々週にはもう就職活動を終了していたのだけれど,
まとめるには区切りが悪くてそのままにしておいた.

ここ最近,大学院に入学希望の人に話を聞く機会があるのだけれど,
割と「どこに就職できるのか」という問題を気にしているという印象をうける.
また ,そのような疑問を直接聞かれることもある.


確かに入学前の学部生からしたら,
進学先のOB/OGがどのような進路に進んでいるかということを気にするだろうし,
そのような情報はあまりウェブには載っていないので,気になるところなのだろうと思う.

NAISTでも特殊な人が集まってるうちの研究室なので,
参考にはならないかもしれないけれど,
僕自身は特殊な人の中の普通の人のつもりでやってきたので,
ちょっとは参考になると思う.

方向性は?

多くの同期の方が出身問わず,情報系の人が進むようなところを受けていたと思う.
例えば,SIの会社とか,メーカとか.進路実績通りな感じ.
NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 - 入学案内 - 学生情報 - 進路状況

うちの研究室に関していえば,研究内容も生かせそうなWeb系の会社が多かったと思う.
「コードが書ければ問題はない」みたいな話もあるけど,確かにコードが書ければどこかには行けると思う.
「分野を変えても情報系に就職出来ますか」という質問を入学前の人からされるけど,
修士で情報系を修了したら,世間的には理系・情報系の人としてみなされるのではないか.*1
(具体的に僕がどこをうけたかという話は合否関わらず,直接聞かれれば答えます)

学名で差別されるみたいな話たまに聞くけど,学歴(学校歴?)はあまり関係ない気がする.
学歴を気にするようなところにapplyしなかったからかもしれないけれど.
むしろ僕は出身高校の話が一癖も二癖もある感じなので,ネタにはできた.
高校,学部,研究,大学院,インターネットと話の種は尽きなかった気がする.

就職活動中の学生と話すと「NAISTです」とか言うと,
相手が情報系とかだと「あぁ,なんちゃら先端なんちゃら大学院大学院ね」みたいな反応される.
文系の人とか分野がかぶらないと知らない場合があるので,その分めんどくさくなかった.

期間は?

僕は12月から人事に会いにいったりしてて,1月くらいから学内の説明会を中心に見始める.
2月くらいから選考が始まり,4月まで続いた.
内々定を頂いたのは4月から5月にかけて.
途中から,これ以上受けたら手抜きになると思って仕方なくお断りするところもあったけれど,
数としてはそこそこ適正だったと思う.
在京の会社が多かったのがキツかった.
最初はすごく嫌だったけど,途中から選考が始まって承認欲求満たされまくるので,
最終面接でいくら断られても,それまでに満たされた承認欲求は消えることはなかったのでよかった.
あと謎の自信がついた.
内々定,早めに出たのも精神的に良かったと思う.

ビジネスなので難しいところはあるのだけれど,
社員になる可能性のある人のことを考えてか,承諾を待ってくれたので,
そういう会社を受けれてよかった.後輩にも薦めると思う.

あと,東京のオフィスビル巡りが一通りできたのも良かったですね.

勝率は?

大切にするものが「良い同僚」「良い感じ文化のありそうなところ」という曖昧なものだったので,見てみないとわからないと思い,20社近く受けた.
研究室の同期は2,3社くらい受けて1社から内々定という感じが半分以上だったと思う.
他研究室の同期は「エントリーシートでお祈りされた*2」と言っていたが,
志望動機も考えられないほど手当たり次第に受けていたわけではないので,その後の選考でお断りされることが多かったと思う.
主に,基礎的な適性がないことや就業に対する感覚が薄くて,断られることが多かったと思う.
逆に,選考プロセスが合わないことや社風や事業内容の不透明さなどで,こちらから辞退することもあった.
片手ほど内々定を頂いたけれど,それ以外の会社も役員との面接まで行っていたので,入る気が無いように見えたのだと思う.
よって,やる気があるように振る舞えばもっと良かった気もする.

費用は?

アルバイトもせず,富豪的就職活動をしていた.
上にも書いたけど在京の会社が多くて,奈良から東京に行くのは大変で,
週1で新幹線往復していました.クレジットカードが限度額をオーバーするくらい,お金を使いました.
お察しください.ありがとうございます.

その他

うちの研究室に関しては100%自信を持って言えることだし,
他の大体の研究室でも言えることだと思うけど,
うちの(研究室|大学)に来るような学生で内定が取れないみたいなことは,滅多に無いと思う.
入試内容がペーパーテストではなく,面接で研究計画書を使ってプレゼンテーションということであったり,
就職活動をする前までに,研究内容について研究のプレゼンテーションをすることが決まっていたりすることでそこそこ訓練してるからだと思う.

研究発表において,外部発表よりも研究室内の研究会のほうがヘビーだという話は研究室の関係者がWebに書いてるけれど,
就職活動においてもそうだったと思っていて,
助教先生との面談が結果的に面接の練習になったと思ってるし,
先輩であるM2やD1の方々に話した志望動機のほうが,実際の面接以上に突っ込まれたりもした.
同期との雑談の中でも仕方ないことだけれど,就職活動の話題は多くした.
お陰で(これでも)会社や志望動機が絞れた気がするし,大変ありがたかった.*3

今いる研究室の人の言葉だけではなく,
インターン中のメンターや社員の言葉とか,前の大学の先輩の言葉とかいろいろ影響受けてて,
そういうのを考えて,いろいろやれたのが良かったと思う.

富豪的就職活動

御金に糸目をつけずに活動したので,おもしろ体験ができた.
普通にリクナビを通して応募するものから,企業ページから応募するもの,
CVを送付するもの*4
規模もベンチャー企業から大手,外資系も受けたし*5
業種もITな会社からメーカ,全くの異分野の会社(美術系)まで受けた.
受けているうちに進んでるところは限られてくるので必然的に適性判定されてきた.*6


よかったのが,理系院生のためのエージェントサービスで,
面白そうな中小企業や特別枠としての採用(研究職とか)の連絡が割と多く来たのが体験としてよかった.割とおすすめ.
同期が僕の使ったところとは別の会社のサービスを使ってて,
その会社のは,斡旋だけではなくてフォローアップもしてくれるので,
面接慣れとかするのに調度良いみたいな話を聞いた.


来年からは?

まだ人事にはインターネットに書いていいか聞いてないのだけれど,
今後のことや会社のことを考えると,どこに行くか書かない方がいいのかもしれないと思っている.
先輩方を参考にして,振る舞いを定めようと思う.
なので知ってる人もWebには書かないでくださいね.
(もちろん直接聞かれれば答えます)

追記(2015年5月): 学部時代の出身大学について

少し調べればわかるけれど,僕は私立理系情報系の学部に在籍していた.
研究室の同期の中では,高校卒業時の偏差値は高い方ではなく,入学前に業績もなかったのは事実.


就職選考の際,修士の大学名ではなく学部の大学名で,落とされるという話も聞いたことがある.
僕の場合は,更に発展的なことをしたいがためにNAISTに進学をしたという「いい話」に昇華させたし,
今の会社では,前の学部での活動も評価してくれたところがあって,むしろ良く作用したと思っている.


就職に関しては,
出身大学がどこかではなく,自分が何をしてきたかということが大切だと今でも思うし,
うまく実績を提示して,コミュニケーションで伝えられれば,問題はないと思う.
単に学歴だけを見る会社は,残念ながら縁がなかったか,
いずれその会社は潰れると思ったほうが,精神衛生上良さそう.
どうしてもそういう会社に入りたいなら,転学もそれはそれでありだと思う.


IT業界の就職に関しては,Joel Spolskyの本が無茶苦茶ためになるのでリンクを置いておく.
ネットでいろいろ調べる前に,中古でもいいから買って読むと良さそう.

ソフトウェア開発者採用ガイド

ソフトウェア開発者採用ガイド

追記(2015年5月): 入学前の方に向けて

NAISTは,高専・飛び級・大学・海外,どこの出身であろうが関係なく接してくれる教育・研究環境だと思う.
幸いなことに,出身で不当な扱いを受けたという話は聞いたことがないし,
分野を問わず広く門戸を開いている理念もある.
僕はそこが崩れたら,終わりだと思ってるくらい.

また万が一研究室でうまくいかなかった場合は,研究室を変更できる仕組みもある(所属する全員がこの制度を知っていることは,大変意義深いことだと思う)し,
最低限の礼儀を守れば,入学前にも先生方や学生の方はきちんと対応してくれると思う.
不安に思うなら,Googleで適当に調べるより,twitterで関係者にReplyを飛ばすほうが早いし,
可能ならば直接聞いたほうが早いと思う.


「業績を出してるのは,良い大学から来た人」という話.
そうかもしれないし,そうじゃないかもしれない.
反例も知っているけれど,学力と研究業績の相関があるという話もある.
自分が今どの段階にいるのかということを意識して,仕事をこなすことだけだと思う.

*1:理学や工学のこと全く興味ない人の場合は,わからないけれど......

*2:採用を見送られること

*3:最初は前の席の人にESも見てもらったなぁ,早くDで帰ってこないかなぁ

*4:見よう見まねで作った

*5:英語!!

*6:先輩には局所解では?と言われたけれど