岸辺のAlbum

teenstの日記

日本 大阪 西成

久々によく寝た.
昼ごろに同期の電話で起こされる.

彼の車に乗って,大阪に.
彼の他に,研究室の先輩もいた.
彼らは朝は土曜日の勉強会を行なっているようで,なかなかタフだと思う.

初めて奈良から大阪まで車で行ったけど,市の境が多くてめまぐるしい.
鶴見緑地の花博の公園のわきを通ったがなかなか良さそう.


同期の学部時代の友人が,大阪駅で合流するため車を梅田の地下にとめる.
ご友人は携帯電話を持っていないので,合流も一苦労であった.

大阪駅,大丸の下の砂時計が撤去され,ヨドバシ側の小さい待ち合わせスポットも撤去されたため,
目に付く待ち合わせスポットがなくなってしまったというのがある.*1
今頃は携帯電話があるから,あまり目立つランドマークというのも必要ないのだろう.


御堂筋線を南下して,難波のコインパーキングに車をとめる.
同期はミナミの方に詳しいので,いろいろと面白い.


今回の目的は,大阪ミナミでも行ったことのない西成区,中でもあいりん地区に行くというのが目的であった.

JR難波から,新今宮に向かい,そこから徒歩であいりん地区に向かう.
降りた瞬間から違和感を感じるが近づくにつれだんだん不思議な空間であることに気づく.
土曜日の昼間から,「おっちゃん」たちが外でぶらぶらしてるのも不思議だしそれ以外の層が全く見当たらない.地域は居酒屋と宿泊施設とパチンコ屋があり,路上に大量に自転車が停めてある.
おっちゃんたちは立ちながらビールを飲んでいる.

塀で囲まれていることで有名な西成の警察署はWebで見るよりもこじんまりとしていたが,入り口の上には監視カメラがでかでかとあり,誰のための警察なのだろうという気にすらさせる.その前の通りは,暴動も起きるという話だが,普段は「まだ」大したことない感じではあった.


警察署から南下して三角公園付近に行くと,畳数帖の大きさの看板に「要求」が書いてあるものが立てかけられていた.
公園付近になるとかなりディープな感じで,いきなり話しかけられたり,おっさんたちが日本では禁じられている遊びをしているような光景も見かける.あと匂いが独特.
公園には人の住んでいるであろう場所が大量にあって,公共のテレビなどもあった.


流石にテンションがあがらない.


その後,職安に行く.
大量の日雇い労働者のための施設で,二階が空港ターミナルのようになっていてそこで仕事を早朝に受け取るらしい.一階はフリースペースになっている.
雨が降っていたため,大量のおっちゃんたちが職安の下で寝ていた.


職安に行く途中にもおっちゃんに話しかけられて少しだけ話す.英語が流暢だった.

西成の雰囲気は,交番前の通りに大きな顔写真の看板があった(はず)のこの人の動画をみると良いと思う.

西成の道が大量に出るけど,この頃よりもまだ少ない方らしい.確かにここまでどこもたくさん人が住んでいるわけでは無さそう.そもそも何も道端にはおいてなかった.



その後東側に.現在西日本最大の高さの,建設中の超高層ビル「あべのハルカス」が見える.
南北を通っている路面電車の路線を左に行くと,若干雰囲気が違う.それでも決して明るいわけではないが.

危ない感じの商店街を抜けて,次は飛田新地に向かう.

その前に,同期の通う飲み屋でビールを頂く.
お好み焼きも美味しかった.

時間ギリギリで飛田新地の中にある,「鯛よし百番」へ.
飛田新地は,表向き,というか建前上は料亭街なのだけれど,実際は.というところ.

もともとそういうところに使われていた建物を本当に料亭にしたのが百番で,
実際に古い建造物として異様な感じであった.


もう一人ここで女性の同期と合流.1人でよく来れたなという感じ.流石である.百番の付近のみ写真撮影して店内に.どうもオフ会や大学のコンパも行われていたようである.

店内ではシンガポールの話をしたりした.この夏の予定をどうするかなぁ.
初めてお会いした同期の友人,年下なのにすごく大人びていてよかった.考え方も良いし,フォロー力が高い.





食事は普通に美味しかった.4000円で,ここで飲食できるのならかなり良いと思う.ただおすすめはしないし人を連れてくることも1人じゃしないけど.
いたるところで,大学名や専攻を聞かれるのだけれど,知らない人のほうが多いし,「奈良の山奥にある大学」って言葉でわからない人には,たぶん正式な大学名を伝えてもわからないと思うので最近は諦めている.
女給さんの意外なコンピュータの話が面白かった.

食事が終わり,記念撮影をした.自分が撮ったものはfbに上げた.
ここで食事をするには予約は必要らしいが,どうも接待で使われることが多く土日よりも平日のほうが混み合ってるそうだ.


外に出るとすっかり日もくれていて,怪しい光が輝いている.
ただ,ここのいいところは,外の看板がネオンなどで過剰ではなく,白地の同じフォーマットの看板にお店の名前が黒く書かれているだけで,あとはお店の入り口が広く広げてあり,そこから女性が顔見せのための光が反射しているだけにとどまっているところだろう.通りを遠くから眺めるだけではそこがそうであるということすらわからないのではないか.


行きの時は男性だけであったので,声をかけるおばさんがわりと威勢がよかったのだが,帰りは女性もいたため,誰も声をかけないという感じであった.ここは,京都の五条のようにまっすぐの通りだけではなく,二次元に広がっていてそれぞれ通りでグレードがあるらしい.

ネットで確認したところ,僕らが通った場所は年齢層が高めのエリアだったようだが,実際そうでもなかったような......といっても,実際は女性の顔は直視していない.背徳感もそれなりにあったのだが,僕はそれを目的に行ってないのでまじまじ見るのは失礼だろうし,若干雰囲気にやられてしまうということもあるので.もっぱら誰も居ないことを確認して,その誰もいない座布団の上をみるという感じであった.
ここでは流石にカメラを出すことはやめておけという話であったし,皆あまり会話もせずという感じで.大門だけをみて移動した.大門の横に交番があるのが,なるほどここはそういう地区なのねという気持ちにさせる.

歩いていると流石に早く抜けたいという気持ちにさせられ,またすれ違う男たちの目的もわかっているため苦々しい.道路のそばを歩くと,顔見せしているところに近づいてしまうため道路の真ん中をあるいていたが,真ん中は車が来るため横に避けざるを得ない,避けると近づくという感じで一瞬動きが止まり,どうして俺が気にしてるんだという気持ちになり一気にしんどくなる.


塀であったであろうところに通されている東側の歩道を登り,阿倍野区に入る.
飛田を抜けると一気にマンションが多くなる.そのギャップが面白い.


あべのに入り,同期の通いなれたバーで,TRPGの話をマスターとしたり,おもしろCDの話をしたりした.いい店だった.


同期がうまくセッティングしてくれたおかげで,何も悪いものは持って帰らないで済んだし,非常に有益だった.同期の気遣いは,まず間違いがないくらいのもので,おもてなし力が高い.そしてどちらも何も気にせず歩けたのもすごいことだ.


物見遊山という気持ちもあったが,実際に自分の立ち位置をしっかりさせたいという気持ちもあり,またもしかしたらここに自分がお世話になる*2かもしれないという不安もあったため.
そうなるとインターネットはできないし,実際釜ヶ崎はスマートフォンを持ってる人を見かけなかった.アレだけすれ違うと1人くらいいてもいいのにと思ったくらいでそれがまた普段とは違うと思えた.

なんにしてもあそこは同期にとっては見慣れた街であるようだし,そこでお金を稼ぐ釜ヶ崎や飛田の人たちもそれが当たり前の世界でそういう社会なのだろう.と思うと世界は広くまた狭いと感じてしまう.


皆は大阪難波駅で別れて,奈良に帰る.先輩と話をしていた.

*1:ホームの上に行けば待ち合わせスポットらしきものはあるのだが,わざわざ行くのはめんどくさい

*2:釜ヶ崎の方ね,いや飛田も可能性という点では......