岸辺のAlbum

teenstの日記

秋の一般向けオープンキャンパス

朝起きると,昼だった.

10時からオープンキャンパスがあって,それの準備というか補助というか,
バックアップのために朝に行く必要があったのだが,
まさしく遅刻していた.

弁当の買い出しは,誰の担当でもなかったようだけれど,
研究室の係の仕事として,「手伝いましょうね」ということだったので,
自分が行くつもりだったのだが,
寝ていた自分の代わりに@先生が買い出しに行って下さったので,ありがたかった.*1
お礼を言っておいた.

受験希望の方も数名来られていたようだけれど,今回はボスが不在なので,准ボス(なんだこの表記は)や助教の方々,研究員の方々が対応したのだろうか.

そういえばどこにも書いていなかったので書くが,
うちの大学の入試希望者に向けた唯一のアドバイスは,
受験希望の方は希望する研究室の教授と事前に面談をしたほうがいいよ,ということである.


申し訳なさが極まって,Doctorの方の代わりにブースで説明をしていた.
来場者の方に「最近はデータが大量に手に入るんですか」と聞かれたので,「そうですね,新聞データの時代からWebのデータが......」みたいな話をすると,なんとその人は研究室の初期のOBの方だった.釈迦に説法に近い.研究室にも顔を出してくださいねと伝えた所,研究室では昔話をされていたようだった.



来場者はシニアの方と親子連れが多くて,その方々に,述語項構造解析の話やコンコーダンスソフトウェアの話をするのはどう考えても難しい.
前日は,コンコーダンスソフトウェアの準備をしていたものの,僕が来た頃には,比較的わかりやすい文章の誤り訂正ソフトウェアやWeb情報からの情報抽出ツールのデモンストレーションになっていた.
それでも,未就学児童に助詞の誤り訂正の話をしても,そもそも漢字が読めなくて伝わらない.
お母様には,格助詞の誤りが訂正できても「コンピュータは万能じゃないの?」と思われてるのか,「人間ができることはコンピュータにも簡単にできる」と思われているのか,イマイチ反応が悪い.
シニアの方は,ご家庭のWindowsのソフトウェアの相談をされてしまう.情報専門家とサポートデスクは違うのだということはシニアの方には伝わらない.「コンピュータのプロなの?」と聞かれて,「はい」と答えてしまったばっかりに,研究員の方にソフトウェアの相談対応をさせてしまったのはちょっとミスったな,申し訳ないなと思ってしまった.迂闊すぎた.一般の方のイメージするコンピュータの概念が自分たちとはずれているということを再認識させられた.*2

ガラパゴスなのは日本製品ではなく日本人だ.というような主張をしたのでこの場合もあげつらってネタにしているように思われるかもしれないが,今回に関しては結構温和で,わざわざ山奥の理系大学院に家族で来る人たちはまだ伝わる可能性があると思っている.

たぶんデモの質よりも,対象とする層へのアプローチが下手なだけで,対象によってやり方を変えることが重要なのだろうと思う.
ただ,言うは易く行うは難し.この問題は毎年研究室内で言われてる.どうしてできていないのかということがある.「ツールは研究になりにくいんだよね」とボスが入学前に言っていた.
研究者や大学院生の本業は論文を書くことだと思ってるけれど,社会貢献としてこちらのほうに取り組むのも1つなのだろうなぁ.インタラクションとかで発表できるようなツールを目指すのも面白そうだ.*3
ただ,外の要求に対してだけアプローチしても中身がなくなるので,バランスが必要.

そういえば,向こうの棟のNLPな同期に,「なんでもっとわかりやすいポスターとか作らないの?」か指摘されたのももっともなのだと思う.事実,あちらの研究室は,こちらよりも数段わかりやすくできていた.



学部時代の同期@くんが,東京からわざわざオープンキャンパスに来てくれた.
せっかく来てくれたので,研究室の方々と一緒にすき焼きを食べる.
いろいろ話を聞いたけど,頑張ってるみたいだった.


今回のオープンキャンパス,割と自分の中で気づきがあってよかった.外から見てもらう機会が少ないからこそ,外からくる人を大切にしたい.

*1:お忙しいのに雑用みたいなことをやらせて申し訳ない

*2:それでもシニアの方が,「Windows7が」とか「家に帰ってインターネットで試してみるわ」と言っていたのは驚いた.もっと知らないものだと思っていた

*3:そういえば,非情報系のプログラマの知り合いが,[http://lab.siio.jp/:title=お茶大椎尾研]の卒論修論を読むのは楽しいと言っていたのを思い出す