岸辺のAlbum

teenstの日記

就業についての質問 / 僕とばばあと病院で

午前中は一人で黙々とわかんないことがあったので,調べ事.


昼食はインターンの人に誘われたので2人で行く.
話題は働くことについて.
「どういう目的を持って入社を志望したのか」ということを聞かれた.
志望の原因としては,あけすけもない言い方をすれば,
偉い人から「受ければ?」と言われたというのがわりとシンプルな答えでもあるのだけれど,
むしろ求められてるのはモチベーションについてなので,
入社前に考えていたことと,入社後に考えていたこと.
あとはお給料についても説明,
大学院時代の同期や有名な会社の伝え聞く話と比較も踏まえて話をする.
出身や大学の環境に関する話も及んだ.


学生時代,大したスキルセットも無いくせに,
いや,だからこそ自分になにが向いているか,なにが好きかを考えてみようと思って,
自分が辛くない範囲でいろんなところを見に行ったけど,
それでもITに関して仕事をしてもいいんじゃないかなぁと思って,
情報系にとどまったというのがある.
エンジニアの友人に言われた
「方向性,アンテナ感度は十分にあるし,それは適性と言っていいんじゃないか」というようなことも,
人から評価されることが少ない自分の中では心に残った出来事だったと思う*1

例えば「異性にモテる」とか「親が安心する」などということで,
安定性ということを重視する人が(僕とは相性があまり良くないことが多いけど)いることは気づいていて,
僕はそのことは重視してないからこそ,こういう感じで生きているし,
そればかりは価値観なので他の人が押し付けるものではないと思う.
ある特定のことを大切にするあまり,
多様性を考慮しない会社はそれなりにあると思ってるけど,
ある程度根本的なところがぶれていなければ,
どういう人でもウェルカムというのがうちの会社のよさかも知れない*2

とかく就職に関しては,
多くの人が一発で最善の方法を引き当てようと躍起になってる印象があったのだけれど,
自分となにが合ってるかどうかなんて,やってみないとわからないし,
そもそもやった結果が水準に達しているかとか,
自分がその過程で辛くならないとかそういうこともわからないので,
ある程度悩んで結果が出たら深く考えずに,
自分の価値観が最高!と思い込んでみるのもいいんじゃないかなと思っている.
もちろん,あまり考えずに就職したら不幸になった話もインターネットでは見かけるので(なぜか六本木の会社が思い浮かぶ),
考えなく行動するのも,それはそれでという感じもあるのでなかなか難しい.


もしかしたら書いたかもしれないけど,
B4の時に「これからGitHubを履歴書に書かせる時代がやってきますよ」とM2の先輩に言ったら,
鼻で笑われたのだけれど,
それから2年後の僕が就職活動をしてるころには,
ソーシャルメディアアカウントをそれなりに書かせる企業も増えてきたし,
どのような形でもそれなりの表現を提示しないとお話にならないというのはありそう.


もう一件関連する書いたかもしれない話として,
奈良時代の人と就職活動が終わった時に飲み会をしていて,
「◯◯の内定先はいいよなぁ」みたいな感じで,
様々な側面から他人の就職先を羨む人がいたのだけれど,
「仕事の裏には価値観の問題が潜んでいるんだ」とか
「あまり軽く扱ってはいけないんだ」ということに,そのときやっと気づいたというのがある.
就職活動ビジネスの人が「イベント」と称して大学内に出入りしていたので,
まるでリアル脱出ゲームなどと勘違いしていたのだと思う*3


インターンの方,まだ修了まで一年あるようなので,時間はたっぷりあるし,
いろんな人に話を聞いてみたりするといいと思う.
方向性が間違いなく決まってるなら,やることはそう多くないしね.



午後は休みをとる.
大きい病院は平日にしかやってないので,仕方がない.

受付では母親と乳児(,オプションでそれに付き添いの父親)のタプルが複数組いて,
こんなに乳児がいる場所がこんなところにあったのか!という気持ちになるくらいには驚いた.



初診は予約なしでOKとのことだったので,呑気に受付開始時間に行ったら,
「予約済みの人」がベースで,
それに加えて入院患者や僕のような予約なしの患者を割りこませてるから,
どんどん遅れていって,結局3時間近く待つことになった.
1時間待ったところで,「もしかして受け付けられてない?」と思い聞いてみたが,
「受付は完了しているが,待ち人数が多く,開始時間が全く見積もれない」とのことだったので,
すごい世界だなぁと感心してしまった.
流石総合病院というだけあって,(診療報酬に関するシステムは当然として,)
受付から始まり料金の支払まで,
気持ち良いほどシステム化されたプロセスと協調してる*4にも関わらず,
患者の症状にかなりムラがあるのか*5,見積ができないというのも面白い.
結局人か.という気持ちになる.

医者の人数は足りてないわけではなさそうだったので,
むしろ受け入れの問題なのかなとも思ったが,
例えば初診専用の曜日や時間を取ってしまうと,医者が暇になったり,融通がきかない病院として敬遠されてしまうのだろうか.
かといって,人を数時間も待たせること,現代のサービスではなかなか渋いという印象を持つ.
お陰で本が2冊ほど読めてしまった.

ただ診療所に行くような単なる風邪ではないし,
いいかげん治療したいのでそれくらいは我慢できる.
次回から予約なので,時間に関しては問題ないとのことだが,
僕の他に,車いすの入院患者のお年寄りのおばあさまが,
30分待たされて「腰が痛いから帰る」と駄々をこねたり,
親子連れが1時間待っていて,「次の予定が〜」と言っていたのを見ていると,
なかなか信用ならないなという気持ちもある.
患者の症状も見る限りでは多種多様なので,
そういう患者を広く受け入れている大きな総合病院ではなく,
その症状専門の医者に行ったほうがよいのかなぁという思いもあったが,
やってもらったことがないのに決めるのは焦燥だし,
時間的な話は上司に相談しつつ,一度やってもらってみるのがいいかなと思った.


長時間待たされたのだが,本は2冊も読めたし,
最近は携帯電話の電源を切ってくれと書かれた場所は少ないけれど,
ネットワークから切り離されたというのも大きい.
扉の前にはあてにならない受付番号が表示されたディスプレイと,
民生品の無線アクセスポイントが等間隔で設置してある.


結局数時間待ってやったことはカメラを使った検査だけで,
血液検査や,CTを撮ることが分業化ゆえに一日ではこなせず数回来院しなければ,
治療の計画が立てられないことは,大きい組織の弊害だなぁと思う.

お医者さん,女性のお医者さんにかかるということも初めての久しぶりの体験だったのだが,
むしろ僕と同世代くらいの方で,
よくよく考えて見れば,お医者さん,僕と同い年ならば研修医1年目になるのだろうか.
お医者さんは年上の人というイメージがあったが,そろそろそうでもなくなるのだなぁ.
今の僕よりも年上じゃないと就けない仕事,
あとは政治家や法曹の方くらいだろうか.医者が一番接点が多いな…...



入院中の車いすのおばあさまが,「もう今日はいい」と言い出して,
看護師さんが「ベッドで待ちますか? 今日が駄目だと月曜日になっちゃいますよ」というのに対しても「我慢ならない!」と仰っていて,
「どうせ帰ると言っても,病院内のベッドでしょ? 診療科のベッドも自室も一緒では?? (こういうことで高齢者医療は長期化するし,老人って面倒だなぁ,こうやって医療費が……)」という感想を簡単に持ったのだが,
入院中で外に自由に出ることも出来ず,車いすに頼るほど体が維持できない人が,
何ももたされずに廊下に不安定な状態で30分待たされること,かなり辛いのではないかなと思い,
短絡的な考えを改める.
元々,年寄りには厳しい無意識があったのだけれど,
働き始めるようになってから,給与明細を見てしまって社会保障の割合が多いことが実生活に結びついたからだろうか,
弱者*6に辛く当たるような思想が芽生え出したかなと思う.
それを直接強い口調などで言ったり,その人達に暴力を振るわない限りは法は侵さないと思うので,
今の日本ではこうやって簡単に表明できるんだけれど,
そこを憎むのなら年寄りだけでなく,有給をとって医療費控除できるくらいには医者に行く会社員はもちろん,
所属に過度に依存する人間,年金を収めない若者なんかも憎むことも考慮しなければ,フェアじゃないよななんて思ったりした.
現実的には人数や経費など,数字を出していけば憎む対象は分類できそうだけど,
どちらかと言えば無意識に影響された想像力や考えの豊かさの話なのだろう.
老人も含めていろいろな人に育てられた人間が,
まるで自分が勝手に成長したかのような発想に至るのは,想像力の乏しさだよなと思い,ちょっと反省.
できることなら,豊かな感情でどんな人にも余裕を持って接したいなと思う,この先も.


診療科で待つ患者や,
診療科の受付では年寄りへの聞きやすさのためか大声で電話対応する受付の方などを見て,
普段の会社と家の往復では意識できない高齢者の存在を意識してしまった.
これからこういうこと,身近な話でも,街で目にすることがらでも,どんどん増えていくんだろうなぁと思ってちょっと悲しい気持ちになる.
高齢者のことを考えるとき,いつもこのエントリーを思い出す.
404 Blog Not Found:備忘録 - そもそもなぜ老は敬われてきたのか



しかし弱った老人が多い環境に行くとわりとつらい気持ちになるので,環境重要だし,
今日の出来事を考えると,
「ITじゃない会社に行くと学生時代にいた環境では無駄と思えるような辛い仕事が増えて,心が悲しくなる可能性があるので,ITの会社に行きます」
というのはわりと間違ってないのかも…...

家に帰ってきて夕食.
インターンの方に,「土日は何をするのですか?」と聞かれたが,
何の予定も入っていない.やることも特に無いし,全く自由さ.

*1:それだけが原因で残ったわけではないけど

*2:のでインターンの方を受け入れる土壌は十分にあると思う

*3:まぁそういう感じで楽しく就職できた人もたくさんいるのだけれど,雇用に関する法律や制度を考えるとそう甘い考えだけでもいられない

*4:病床数20以下の診療所にお世話になることが多かったので,驚きも大きい

*5:他の患者も外見上多種多様だった

*6:年寄りは弱者じゃないという意見もありそうだが,今現在の考えとしては,体の維持が難しいことや(精神的にも肉体的にも)自由が得られてない人は弱者に当たると考えている